海上自衛官
世界のほとんどの国は軍隊を持っています。そして、日本でこれらに相当するのが、わが国の平和と安全を守るために設立された組織、自衛隊です。すこし特殊ですが、区分としては公務員の一種にあたります。海上自衛官とは、この自衛隊の組織のなかで、おもに海の分野を担当している海上自衛隊の隊員のことです。
海上自衛隊は、大きくわけると、艦艇部隊と航空部隊という2つの部隊からなります。艦艇部隊に所属する海上自衛官は、レーダーを扱う電測員をはじめ、航海や通信などさまざまな分野の専門家。彼らは護衛艦だけでなく、潜水艦や機雷を除去する掃海部隊などの多種多様な任務を振りわけられ、毎日訓練にはげんでいます。また、航空部隊に所属する海上自衛官は、災害救助に使うヘリコプター操縦などのプロフェッショナル。仕事は、単純なパイロット業務だけでなく、通信や整備といったものにもわたります。また、上記にあげた仕事のほか、海洋の気象を担当したり、航空管制をおこなったりするような裏方的な仕事もたくさんあります。とはいえ、いくらパイロットや射撃の仕事についても、業務に日々のデスクワークはつきもの。例えば、潜水艦を探索するヘリコプターのパイロットなら、実際に飛行するのは週に2、3日くらいだそうです。
海上自衛官に応募するために、これといって必要な資格はありません。キャリアを志向する人なら、防衛大学校を卒業すれば、曹長に任命され、幹部候補生学校に入校できます。ここで初級幹部としての教育を受けると、1年後に3等海尉として入隊することが可能。ただし、ミリタリーな分野への憧れやカッコよさだけで、この仕事を目指すのは考えものです。公務員のなかでも有数の厳格な規律、国防をあずかる任務の重要性とハードな訓練、多くの仕事といった勤務上の特徴を、事前にしっかり把握しておくことが重要です。実際の現場においては、健康な身体と意志の強さ、忍耐力なども必要となるでしょう。
ほかの分野の自衛官にもいえることですが、海上自衛官になるメリットのひとつは、多くの資格が取れること。ただし、自衛隊が海外の戦場の周辺に派遣されるケースが皆無で、日本で日常訓練をしながら資格を得られたのは、もはや過去の話。最近は海外への派遣も一般的となり、決して従来ほどの安全が見こめる職業ではなくなってきています。また、総理大臣になれないなど、政治参加のうえでの制約も存在。海上自衛官としての進路を考えている人は、将来の人生計画をしっかり見据えてから、部隊の門をたたくとよいでしょう。
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